イカツイ鋸歯を持つ植物
「アガベ」は、乾燥している地域でも育っていけるように、体内に多くの水分を蓄えている多肉植物の仲間です!
「アガベ」は、数ある多肉植物の中でも、育てやすい部類に位置づけられています!
実際に自宅で育てている植物のうち、ほかの植物は枯らしてしまったこともありますが、「アガベ」はたねから発芽しなかったことはあるものの、それなりに成長した株であれば、いまだかつて枯らしてしまった株はありません!
自宅で実際に育てている「アガベ」の成長記録、育成環境などをひとつの記事にまとめました!
ひとえに「アガベ」といっても、成長速度や必要とする水分量、葉が間延びする「徒長」のしやすさなどの特徴は、品種ごとに異なるもの!
気になる株があれば、是非、本記事をひとつの参考にしていただけると嬉しいです!
ちなみに、「アガベ」を育てる培養土については、下記の記事で書いているので、ご興味があれば参考にしてみてください
アガベ:品種ごとの成長記録など
各品種ごとにリンク先を貼っているので、気になる品種があれば、リンク先に飛んでみてください!
リンク先の記事では、成長記録や育成方法などを書いています
王妃甲蟹錦(カブトガニ錦):Agave isthmensis ‘Ohi Kabutogani’ f.variegata
まずは、斑入り品種からです!
アガベは強い光を確保できないと、詰まったカタチにつくり上げるのがむずかしい品種が多いですが、「王妃甲蟹錦(カブトガニ錦)」は、光量が足りなくても葉が間延びする「徒長(とちょう)」を起こしづらく、入門種といえるでしょう!
学 名 | Agave isthmensis ‘Ohi Kabutogani’ f.variegata |
記録開始日 | 2022年8月から(継続中) |
斑が入っている姿もキレイですが、なにより葉先や葉の縁に付けるトゲ「鋸歯(きょし)」が連なる“連棘”(れんし)が特徴的な品種です!
一般的に斑が入っている品種は、斑が入っている面積の分、体内の葉緑体が少ないので、成長速度が遅い品種が多いもの。
ですが、「王妃甲蟹錦」は斑入り品種の中では成長速度が早く、短期間でも株の成長を感じ取れるので、育てていて楽しい品種といえるでしょう!
王妃雷神錦(黄中斑):Agave potatorum ‘Ouhi raijin’
成長速度の遅いアガベの中でも、かなり成長速度の遅い品種に「王妃雷神錦(黄中斑)」がいます!
アガベに限らず、黄色い斑の入った品種はたまに見かけますが、「王妃雷神錦(黄中斑)」の黄色い斑は、なんともあざやかな色合いをしています!
学 名 | Agave potatorum ‘Ouhi raijin’ |
記録開始日 | 2022年12月9日から(継続中) |
アガベはどんどん子株を吹く品種も多いですが、本種は子株も吹きづらく、なかなか増えていかない特徴もあります。
育て甲斐がある分、ひと株あるだけでも、充分に楽しませてくれる品種です!
アガベはひとよりも大きく育つ品種がいますが、「王妃雷神錦(黄中斑)」はコンパクトに育つので、育成場所を確保しやすい点も特徴といえるでしょう!
王妃雷神錦(白中斑):Agave potatorum ‘Ouhi raijin’
原種は先ほどの「王妃雷神錦(黄中斑)」と同じですが、斑の色が異なる品種に「王妃雷神錦(白中斑)」がいます!
「王妃雷神錦(白中斑)」は、成長速度も早く小吹きも旺盛な品種です!
株を増やそうと思えば、長い時間をかけなくても、育成場所を「王妃雷神錦(白中斑)」だらけにすることもできるかもしれません!
学 名 | Agave potatorum ‘Ouhi raijin’ |
記録開始日 | 2022年11月19日から(継続中) |
黄色の斑の品種とと白い斑の品種を比べると、「斑の色が違うだけで、こんなにも顕著に特徴があらわれるのかぁ!」と思わされることも!
葉と葉のあいだから小吹きをする点も、ほかのアガベとは異なる点です。
吉祥冠錦:Agave potatorum ‘Kissho Kan’ variegata
斑入りの品種として、「吉祥冠錦」の存在も忘れてはいけません!
「吉祥冠錦」は成長速度が早いですが、徒長しやすい性質をもっているので、初心者向きの品種ではないと感じています。
光だけではなく、水やりや風通しなどの環境を適切なものに維持しないと、詰まった株に仕立て上げるのは、むずかしい品種です。
学 名 | Agave potatorum ‘Kissho Kan’ variegata |
記録開始日 | 2022年7月22日から(継続中) |
「吉祥冠錦」を良型に育て上げることができれば、一部のクセの強い品種を除いて、アガベ全般の成育をつかめることができるでしょう!
育成する過程の中で、アガベの特徴を知りたいと思っている場合は、この「吉祥冠錦」を育てることをオススメします!
吉祥天錦(パリー錦):Agave parryi f.variegata.
「パリー」の斑入り品種には、「吉祥天錦」がいます!
本種は「パリー錦」と呼ばれることもありますが、そもそも“錦”と名付けられる品種は、一般的に斑入り品種のことをあらわしているもの。
学 名 | Agave parryi f.variegata. |
記録開始日 | 2023年2月23日から(継続中) |
「吉祥天錦」の成長速度は遅めですが、大きく成長した株は圧巻な姿をしています!
ガーデニングショップで、大きな株を見たことがありますが、その姿には度肝を抜かれました・・・!
笹の雪(直紋タイプ):Agave victoriae reginae
イギリスの女王の名から名付けられた「笹の雪」は、高い人気を誇るアガベの中でも、特に人気の高い品種です!
自宅では、直紋(じきもん)タイプという株をお迎えしてきて、育てています!
学 名 | Agave victoriae reginae |
記録開始日 | 2023年10月31日から(継続中) |
過湿には弱いですが、水を切り過ぎても、うまく成長をしていかない品種です。
「ペンキ」と呼ばれる白い模様を身にまとった姿は、カッコ良さの中にも上品さを演出し、個体差も激しい品種です!
まだまだ小さな株ですが、今のところ、なんとか育てることができています。
笹の雪「輝山(きざん)」:Agave victoriae reginae ‘Kizan’
先ほどの「笹の雪」に、黄色の覆輪斑(ふくりんふ)が入った品種には、「輝山(きざん)」がいます!
そもそも“覆輪斑”とは、葉の外側に斑が入る品種のことで、「輝山」が身に付ける斑は、黄色!
調子が悪いと、黄色の斑を葉の奥底に隠してしまうので、調子を上げて黄色い斑を隠されないようにしたいところ!
学 名 | Agave victoriae reginae ‘Kizan’ |
記録開始日 | 2023年10月31日から(継続中) |
「輝山」が葉に付ける黄色い斑も、とてもあざやかなので、斑入りの植物が好きなひとにはオススメな品種です!
「笹の雪」系統のアガベは植え替えを苦手としているので、株を早く大きく成長させたい場合は、通常よりも大きめな植木鉢に植えることで、植え替えの回数を減らすことができます!
大きめな鉢に植物を植えるときは、スリット(切れ目)の入っている鉢に植えることで、多湿による失敗を減らすことができるでしょう!
笹吹雪(ニッケルシー):Agave nickelsiae
以前は「笹の雪」系統に分類されていましたが、いまは学名が変わった「笹吹雪」も、自宅で育てています!
いま名付けられている正式な学名は、「ニッケルシー」という名前です!
学 名 | Agave nickelsiae |
記録開始日 | 2023年11月25日から(継続中) |
こじれてしまい、株の調子が思ったように上がりませんが、いつかは大きく成長させたいところ!
「笹吹雪」も大きく成長した姿はとてもカッコイイので、いつかは大きく成長させて、自宅のシンボルツリーならぬシンボルアガベに仕立て上げたいと思っています。
成長速度はかなり遅いので、いったい何年後になるかは分かりませんが、気長に育てていこうと思っています!
イタリアメリクロン株:Agave titanota (oteroi)
埼玉県にあるガーデニングショップ「シマムラ園芸」で入手した、「イタリアメリクロン株」は、自宅で育てているアガベの中でも“くせ者”といった特徴が強く、日々、悪戦苦闘中です・・・!
学 名 | Agave titanota (oteroi) |
記録開始日 | 2023年7月17日から(継続中) |
春から秋までの暖かい季節はは屋外で育成していますが、この株は、植物育成用LEDライトを使用して、強い光を当てていかないと、なかなかイカツイ姿には成長しないのではないでしょうか。
アガベや塊根植物などの室内育成については、下記の記事で詳しくご紹介しています。
チタノタ「シーザー」:Agave titanota ‘Caesar’
チタノタ人気は落ち着いてきたと言われていますが、「シーザー」はイカツイ鋸歯が特徴的で、昔も今も高い人気を誇っているといえる品種です!
学 名 | Agave titanota ‘Caesar’ |
記録開始日 | 2021年10月23日から(継続中) |
植物を増やす“メリクロン”という技術がアガベの世界にも浸透し、金額はだいぶ求めやすくなってきましたが、植物の価値は価格で決まるものではありません。
屋外の育成でも、しっかりと詰まったカタチに仕上がる点は、さすがネームドアガベといったところ!
自宅で育てているアガベの中でも、お気に入りのひと株です!
スナグルトュース:Agave titanota ‘Snaggle Tooth’
チタノタの斑入り品種を代表する存在には、「スナグルトュース」がいます!
淡い緑色と黄色のコントラストが、とてもおしゃれですが、イカツイ鋸歯を持っているチタノタの仲間である点には、注意をしたいところです・・・!
学 名 | Agave titanota ‘Snaggle Tooth’ |
記録開始日 | 2024年5月6日から(継続中) |
直射日光のよく当たる環境で育てていたところ、かなり仕上がったカタチに成長してくれました!
実際にアガベ愛好家からも絶賛の声があがっている品種で、鋸歯のイカツさや株のシルエットなど、自宅で育てている品種の中でも、特に観賞価値が高いと感じています!
チタノタ「覇王竜」:Agave titanota ‘Haouryu’
自宅では、チタノタの「覇王竜(はおうりゅう)」という品種も育てています!
チタノタには、いろいろなネームドアガベがいますが、本種もネームドアガベのひとつ!
学 名 | Agave titanota ‘Haouryu’ |
記録開始日 | 2023年9月18日から(継続中) |
雨ざらしの環境、そして真夏でも直射日光がよく当たる屋外で育てていますが、締まったカタチに仕上がりつつあります!
植物育成用LEDライトを使用した室内育成も楽しいですが、環境変化の激しい屋外の環境で、株をカッコ良く育てられたときには、深い喜びを感じることができます!
チタノタ「ブラックアンドブルー」:Agave titanota ‘Black & Blue’
チタノタを語る上で、「ブラックアンドブルー」は外せないでしょう!
昔から人気のある品種で、その名のとおり、ブラックな鋸歯とブルーな葉を持ち合わせた品種です!
学 名 | Agave titanota ‘Black & Blue’ |
記録開始日 | 2023年10月23日から(継続中) |
「ブラックアンドブルー」は徒長しやすく、カッコイイ見た目をキープすることは、簡単なことではありません。
今のところ自宅では、カッコ良く育てられているので、なるべく現状のカタチをキープしたまま、葉数を増やし、株のサイズを大きくしていきたいところです!
チタノタ「レッドキャットウィーズル」:Agave titanota ‘Red Catweazle’
チタノタがつづきますが、「レッドキャットウィーズル」もほかのネームドアガベに負けず劣らず、高い人気を誇っている品種です!
名前の由来は、葉が赤く染まりやすいこと。
強い光に当てることで赤い色が増していくので、少し心配になることもありますが、しっかりと光量を確保しないと徒長しやすい特徴ももっています。
学 名 | Agave titanota ‘Red Catweazle’ |
記録開始日 | 2023年10月23日から(継続中) |
「レッドキャットウィーズル」をうまく育てることができれば、チタノタを“育成技術”も向上すると思うので、クセのある点もプラスに受け止めています!
一時期より価格帯も落ち着いてきているので、少しチタノタの育成に慣れてきたら、「レッドキャットウィーズル」に手を出してもいいかもしれません!
「パリー・パリー」&「パリー・トランカータ」:Agave parryi ssp. parryi&Agave parryi var. truncata
個人的には、少し高貴なアガベといえば、真っ先に「パリー」を思い浮かべます!
自宅では、「パリー・パリー」と「パリー・トランカータ」の育成記録を付けています
学 名 | Agave parryi ssp. parryi Agave parryi var. truncata |
記録開始日 | 2023年5月19日から(継続中) |
基本データ
小さい苗であれば、販売価格も安く求めやすいものですが、大きく成長するにつれて見た目がカッコ良くなってきました!
アガベは、全般的に寒さにはそれなりに強い品種が多いですが、その中でも耐寒性が高い品種といえば「パリー」を頭に浮かべるひとも多いでしょう!
実際に冬の日には雪を頭からかぶっていましたが、ビクともしませんでした!
パリー「ライムストリーク」:Agave parryi var. truncata ‘Lime Streak’
自宅では「パリー」の斑入り品種、「ライムストリーク」も育てていました!
ずっと気になっていた品種ですが、若干価格が落ち着いたタイミングで入手した株です!
学 名 | Agave parryi var. truncata ‘Lime Streak’ |
記録開始日 | 2023年11月26日から(継続中) |
「ライムストリーク」も寒さには強いので、一年を通して屋外で育てられる点は、ありがたい特徴といえるでしょう!
ベアルート株の状態で入手し、発根管理からはじめた株なので、その点でも思い入れの強いひと株です!
アガベの発根管理については、下記の記事で詳しく書いているので、ご興味があればチェックしてみてください。
アガベの発根管理に関する知識が深まれば、アガベをより一層お迎えしやすくなると思います。
ホリダ:Agave horrida ssp.horrida
チタノタと同じぐらいイカツイ鋸歯をもった「ホリダ」も、ひと株だけ育てています!
自宅で育てている「ホリダ」は、小さな苗から育てはじめ、お気に入りの見た目に成長してくれましたが、個体差が激しいと思うので、株ごとの特徴を見極めて慎重に選びたい品種です!
学 名 | Agave horrida ssp.horrida |
記録開始日 | 2023年11月25日から(継続中) |
大きめな鉢に植えていても、一気に大きく成長しませんが、植物園などで見かける「ホリダ」は、とても大きい見た目をしているもの!
コンパクトなサイズをキープしたいのであれば、小さめな鉢に植えて株の成長を抑制することで、小さな見た目をキープしやすくなります
イシスメンシス「ラムランナー」:Agave isthmensis ‘Rum Runner’
自宅でもっとも育成に苦戦しているのが、イシスメンシスに斑が入った「ラムランナー」です。
お迎えしたときから小さいサイズでしたが、現状ではお迎えしたときよりも、株のサイズが小さくなったような気も・・・。
学 名 | Agave isthmensis ‘Rum Runner’ |
記録開始日 | 2023年9月10日から(継続中) |
同じ品種でも、株ごとに特徴があるので、たまたま育成に苦戦しているのかもしれませんが、このまま育てていても健康的に成長させる気がしていないのも事実です・・・。
なんとか、大きく成長してほしいところですが、今後どうなることやら・・・
まとめ
こうして、これまで記事にしてきた「アガベ」を振り返ってみると、とにかく斑入り品種が多い・・・!
もちろん緑一色の品種にも魅力を感じていますが、動物ではほとんど見かけない色合いに自分の身体を染める品種に対して、強く魅力を感じているということでしょう!
冒頭に触れたとおり「アガベ」は育てやすい植物です!
そして、育てやすさだけではなく、品種ごとに大きく変化に富む見た目にも魅力があります!
自宅で育てている「アガベ」は、ほかにもまだいるので、順次、更新をしていければと思っています!
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